【R18】電車の中で

Diagnosis results 満員電車の中で痴漢されていると気づいた盛美は、慌てて周りを見回した。

しかし痴漢らしき人物は見当たらない。

不思議に思いながらも盛美が視線を戻すと、目の前で白い煙が揺らめいた。周りの人には見えていないようだ。煙は徐々に増え、盛美の全身にまとわりつき始めた。その途端、まるで人の手に撫でまわされているかのような感覚に全身が包まれる。「いや…なん、で…」誰にも聞こえないくらい小さな声で呟き、盛美は高まっていく体の熱を抑えようと目を閉じた。

電車が一つ目の駅に到着した。そこで逃げられると思ったのもつかの間、開いたのは反対側の扉で、車内にはさらに人の波が押し寄せる。

恐怖で動けなかった体がようやく動くようになったかと思うと、いきなりナカにナニかを入れられた感覚が盛美の体を襲った。ぐちゅ、ぐちゅ、と音が鳴るたび全身が甘い痺れに飲み込まれそうになる。斜め前に立つ学生が怪訝な表情でこちらを見ている。盛美に何が起こっているのか知る由もないのだ。必死に俯き口を押さえるが、膝はガクガクと震え太ももをいやらしい汁が伝い足元を濡らす。見えない何かに犯され、盛美は声を出せないまま何度も体を震わせた。

駅に到着し、フラフラとホームに降りた盛美の腕を誰かが掴む。耳元で囁かれた言葉は、

『コれデおワりだとおもっタ？』

言葉通り、その日から盛美はどこにいてもこの世のものではないモノに襲われるようになってしまった。電車の中でも家の中でも。誰といつ、どこにいようが関係ない。暗闇に引きずり込まれ、足腰が立たなくなるまで犯されてあとは捨てられる。そんなことを続けられてまともに生活ができるはずがない。
とある友人が暗い路地裏で、気持ちよさそうに一人でヨガリ喘ぐ盛美を見かけたのが最後。盛美の行方は分からなくなってしまった。