【R18】何かが棲む家
「これじゃない…これじゃ…」
ブツブツと呟きながらみみはその場に膝をついた。求めているものはこれじゃない。
虚ろに空を見つめ続けるみみの頭の上で「これだろう?」と声が聞こえた。顔を上げると、そこにはキツイ匂いを発する肉棒がある。みみの目はそれにくぎ付けになり、声の主の顔を確かめようともしない。
「ぁ…これ、これが欲しぃ…ん、ん゛っ」
躊躇いもなくソレを咥えたみみは、これで渇きを潤せると喜びながら舌を動かし続けた。
About the read-aloud feature for diagnosis results
1. Browser-embedded voice read-aloud feature
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K꙼̈ R꙼̈
@E4iNrcDwkPしかし、その家は何かがおかしかった…。
どんな目に合うのか、何事もなく無事に帰れるのか。
すべてはあなたの選択次第です。
ホラー×エロ(人外、無理矢理等があります)
家事代行サービスの依頼を受けた[USER]は、瓦屋根の立派な家を訪れた。
「ごめんください」
門をくぐり、指示通り玄関に入って声をかけるが応答がない。
どうしようかと[USER]は顎に指をあてる。
さっきより大きな声でもう一度挨拶しようとした瞬間、開けたままだった玄関の引き戸が勢いよく閉まった。キャッキャと楽しそうな子どもの声が遠ざかっていく。
どうやらイタズラをされてしまったようだ。
次いで、家の奥から「お上がりください」との声が聞こえた。
上がってすぐにある部屋のドアが開いている。
この部屋で待てということだろうか?
裏に回ると、立派な家にふさわしく塀に囲まれた庭も広かった。しかし手入れが行き届いておらず雑草が伸び放題になっている。さっき逃げたであろう子どもの姿も見当たらない。
陽当たりの良い縁側と二階建ての蔵が見える。
この家の人はどこにいるのだろうか?
少々戸惑いながらも上がらせて頂くと、そこは応接室のようだった。
テーブルの上には急須に入ったお茶が用意してある。先から湯気が立っていることから、これはついさっき入れたものだと分かる。
初めて訪問する家で緊張しているからか、無性に喉が渇く。
用意されているからといって無断で頂くなんてもってのほか。
それなのにカラカラの喉には目の前の急須が砂漠の中のオアシスのように感じる。
上がったところで部屋に勝手に入るわけにはいかない。
そもそも約束の時間通りに訪ねてきているのに出迎えにも来ない、さらに案内もない。失礼な対応を重ねられ、歓迎されてないのではとさえ思ってしまう。
さて、どうしようか?
初めての訪問で失礼ではあるが家の中を覗かせてもらおうと[USER]は縁側に近づいた。
何故か室内は薄暗くてよく見えない。
もう少しよく見ようと踏石に足をかけて身を乗り出そうとした時、突然その足を床下から伸びてきた何かに掴まれた。
「ひっ」と小さな悲鳴が漏れる。
蔵を覗いてみると、中は閉じた窓の隙間から差し込む光しかなく薄暗い。パタパタと子どもが走り回る足音が聞こえる。
思わず足を踏み入れると、カチャンと音を立て扉が閉まってしまった。
開けようとしてもビクともしない。
子どもを見つけて開け方を聞くしかなさそうだ。
我慢しきれずにお茶に手を伸ばし、それをゴクリと呷った。じんわりと水分が体の中に染み渡っていく。
一口、二口と飲むうちに、目の前がぼやけ始めた[USER]は湯呑をテーブルに置いた。
体が異常に熱を帯び始め、頭がぼうっとする。
回らない頭を何とか動かし、[USER]はフラフラと立ち上がった。
許可もなく家の中の物に触れるのはご法度。喉はカラカラで辛くはあるが、我慢した[USER]は気を紛らわせるために部屋の中を見回した。
ハンドマッサージ器や日本各地のこけしが壁際の棚に並んでいる。シンプルな花瓶にはピンク色の花が飾られているが、見たこともない花だ。とても甘くいい匂いがする。
と、そこに眼鏡をかけた男が入って来た。ニコリと笑い、一言。
「お久しぶりです。覚えてますか?」
挨拶も抜きに突然そう尋ねた男は駅で[USER]と会ったことがあるという。
とはいえ仕事で来ているのだから下手な行動に出るわけにはいかない。
そのうち誰かが出てくるだろうと動かずに待っていた[USER]だったが、突然の耳鳴りに顔を顰めてこめかみを押さえた。
周りを見回しても何かが変わった様子はない。ただ、吸い込む空気が冷たくなったように感じる。
首元をすり抜ける冷気に[USER]は肩を震わせた。
歓迎されてないのであれば帰った方が良いのかもしれない。
顔を合わせたところで今後も同じような対応をされるのであれば、最初から別の人にお願いしてもらった方がお互いのためだ。
そう判断した[USER]は帰ろうと引き戸に手をかけた。しかし、引き戸は固く閉まったまま開かない。角度を変えてみたり力任せに引っ張ってみてもガタガタと音を立てるだけ。
焦って奮闘している背後から、誰かが[USER]の名前を呼びかけてきた。
慌てて靴を脱ぎ捨て縁側から室内に入ると、そこは床の間がある和室だった。光沢のある黒く大きな木の机と、それを挟んで座布団が二枚置かれている。
振り返って見ても縁側の外には誰の姿もない。
慌てて逃げようとした[USER]だったが、足首を掴む何かの力は強く、後ろに引き倒されてしまった。
藁にもすがる思いで手を伸ばした雑草はブチブチとちぎれ、ロクな抵抗もできないまま体が床下に引きずり込まれていく。
悲鳴をあげる[USER]にまとわりつく床下の空気は…
二階も一階と同じように暗く、どこか空気がじめじめとしている。
[USER]はふと、窓際の箱に目を向けた。暗闇にうっすらと輪郭が見える。そこで黒い靄が動いたように見えたのだ。
気のせいだろうかと近づいて蓋を開けてみると、ぶわりと黒い靄が大きく立ち昇った。
何か体に良くない埃のような物だろうかと、[USER]は口元を押さえて咳き込んだ。
棚の裏を見てみると、ぼんやりと黒い塊がいる。背中を丸めた子どものようだ。
こんな暗がりで何をしているのか想像もできないが、その人影は蹲ったまま動かない。
朦朧としている[USER]は、それでも頭をなんとか覚醒させようと部屋を出た。冷たい空気に当たりたいところだがどこに向かうか、その判断もままならない。
とにかくフラフラと足を進め、気が付くと[USER]は台所にたどり着いていた。
ここなら冷たい飲み物があるかもしれない。
一旦は立ち上がった[USER]だったが、ふらつく体を支えきれずにソファーに倒れこんだ。
「なん、で…」
熱のこもる息を吐きながら[USER]は呟いた。
体が疼いて仕方がない。
無意識に動く手が服の上から自分の体をまさぐっている。仰向けになって脚を広げ、股の間を指が擦るたびにビクビクと腰が跳ねて喘ぎ声が漏れてしまう。
「ダ、メ…こんな…」
こんなところでスルことではないと頭では分かっているはずなのに、自分の指が止められない。服の隙間から手を差し込み、直接肌に触れると快感はさらに強くなり、[USER]は背中を弓なりにしならせた。
(イキたい…イキたい…)
心の声が大きくなっていく。
そういえば、と[USER]はおぼろげだった記憶を手繰り寄せた。
以前、たまたま駅で前を歩く人が手帳を落としたのでそれを拾ってあげたことがあった。声をかけて振り返ったその人も眼鏡をかけていた。
目の前の人物と同じかどうかまでは確証はないが、これから雇い主になる人だ。わざわざ不興を買う必要もないだろう。
そう思い曖昧に[USER]が頷くと、男は嬉しそうに手を叩いた。
「やっぱり!これは運命ですね!」
男は顔を赤らめ、興奮した様子で近づいてくる。
瞬きもせず目を見開き、鼻息が聞こえるほど荒い息を吐きながら歩み寄ってくる姿はとうてい尋常には見えない。
そう言われても[USER]には男に全く覚えがなかった。
そもそも友人や身の回りの親しい人たちにしか興味がなく、すれ違ったりたまたま入ったお店の店員さんだったりとかは顔も覚えていない。
変に嘘をついて話を掘り下げられても怖いので、正直に「覚えていません」と答えた途端、男の表情が一変した。
「どうして!あんなに俺のことを見つめていたじゃないか!」
そう叫んだ男はポケットからガムテープを取り出し、[USER]の両手首を合わせてグルグルと巻き付けた。
ソファーに押し倒され、男が[USER]に馬乗りになってくる。
[USER]は必死に抵抗しようと身を捩るが、あっという間に両胸がさらけ出されてしまう。
荒々しく胸を揉まれ、[USER]の口から思わず声が漏れた。恐怖からではない。予想もしていなかった快感が走ったからだ。
「ははっ。あの花の香りを嗅いだな?」
あの花の香りは感度を上げる効果があるのだと男は嗤う。
カチャカチャとベルトを外し始めた男を見て、[USER]は…
何かおかしな空気は感じるものの、仕事でここに来ているのだから簡単に帰るわけにもいかない。
そう思ってじっとその場で待っていた[USER]だったが、すぐに異変に気付き始めた。
異常なまでに寒い。
さっきまでは普通だったのに、指先が冷えピリピリと痛くなってきた。季節外れの寒さに体が震え始め、吐く息が白く色づく。
不可思議な状況に怯え、ちょっとしたパニックになった[USER]は咄嗟に…
振り返ると、そこには眼鏡をかけた男性が立っていた。
恐らくこの男が雇い主ということになるのだろうけれど、一見穏やかそうに見える笑みに違和感を覚える。笑っているようにも怒っているようにも見える男はゆっくりと[USER]に近づいた。
「もしかして、帰ろうとしてました?」
その問いに[USER]は…
換気をしようと[USER]は閉まっていた窓を開け放った。一気に綺麗な空気と明るい光が入り込む。
黒い靄は霧散したようで跡形も残っていない。しかし多少吸い込んでしまったせいか、頭がクラクラする。
よろけた[USER]は窓辺に手をつくが、全身に力が入らず膝から力が抜けていく。
ガクリと崩れ落ちそうになった体を支えてくれたのは…
何をしているの?と声をかけると、人影は顔を上げて振り返った。
子どもであることは間違いないのに、それが少年であるのか少女であるのか分からない。ぼんやりと顔がぼやけていて認識できない。それなのに、何故か嬉しそうに笑っていると感じる。
『遊ぼう、遊ぼう』
そう言って[USER]の手を取る小さな手は恐ろしいほどに冷たい。
しかしそれをおかしいとも思わず、[USER]はコクリと頷いた。